2021.9.22

お酒によって、共有できるもの。

成人してから、両親に「テーブルマナー講習会」に
ホテルへ連れて行ってもらったことがあります。

レディファーストの心意気やカトラリー類の使い方など
基本的な作法を教えていただきました。

ある時、父親と一緒にワインを頼む機会がありました。
わたしがどれにしようか迷っていると、ソムリエの方が
「もし迷われているようでしたら、お父様と同じものはいかがでしょうか。」と
お声がけいただきました。

私は迷わず「そうします。」と言いましたが、父は気になり
「こういう時は同じもの頼んだ方がいいんですか?」と質問。

するとソムリエの方は、
「絶対にそうした方がいいというルールはありません。が、
お酒を飲んだ時に感じることは人それぞれですので
同じ物を飲んで味覚を共有し、コミュニケーションをすることもひとつの楽しみですね。」

そんな私も数年後、酒屋に就職し日本酒・ワイン・焼酎など
様々なジャンルのお酒を飲む機会が増えましたが、
みんなで試飲する時は反応は十人十色。表現する言葉も様々だし、好き嫌いも様々。

けれど、お酒を飲むことで寡黙だったあの人も、恥ずかしがってたあの子もみんな言葉を発する。
人々のコミュニケーションの起点になるお酒を、さまざまな角度から伝えたい。