2020.11.11

職人はモノを作るだけじゃない、「梅小路醗酵所」麹作りの手

いつも照れ臭そうな笑顔を見せる、梅小路醗酵所の麹職人、竹内さん。

(3日目、出麹の様子。人肌くらいの温かさのある米麹を解して、醗酵を止めている。)

「いつも温度が心配で、、夜中に、温度が上がりすぎて、
麹菌が死んでいるのではないかと思うとあまり寝れません。笑」

まるで子育てのような麹作り。麹も生き物だということを
彼女の言葉を聞いて、改めて感じる。

「梅小路醗酵所」は今年2020年の10月14日
「梅小路ポテル京都」の施設内にできた。

お酒、味噌、醤油、、醗酵に繋がる原点「麹」で
お客様に醗酵のある生活を提案する店舗。


(店舗写真と麹室。麹室は1枚目の写真でなら、ちょうど奥側にある。)

当たり前のことだが彼女もオープンする前、麹作りの経験はない。

そんな彼女に麹作りを教えたのは「池島幸太郎」さんだ。

池島さんは今や醗酵所の麹作りのアドバイザーとしてついてくれている。
こんなに心強いことはない。


(池島幸太郎さん:酒蔵で務めていた経験を生かし、滋賀県彦根市の古民家に工房を構え、糀、味噌、鮒鮓などの発酵食品の製造・販売している。)

最初は麹作りの温度変化が分からず、3日醗酵所に寝泊りして
その間も太郎さんに状況を説明しながら、なんとか麹を作った竹内さん。

池島さんのアドバイスを経て、自分でやってみて、
この「梅小路醗酵所」の目玉である「麹室」で
「麹」を仕込むのことを先陣切ってやってみる、
それが彼女の今の仕事になっているのなんて、誰が想像しただろう。

職人だから、当たり前。
だか、彼女の仕事は麹を作るだけではない。

酒屋で培ったお酒の知識と前職からの料理の知識、
それらを合わせもって、ホテルのレストランシェフや
ホールスタッフと連携する。

さらには自身が掴んだ麹作りを
多くの人に体験してもらう「ワークショップ」を
これからは楽しさを伝える人になる。

これもできて、初めて「梅小路醗酵所」の“麹職人”なのだ。

彼女は愛知から酒高蔵に入社を決めて引っ越してきた、
ホンモノの酒好き。

前職では魚を扱う飲食店に数年勤務していたから、
料理の厳しい社会を知っている。
でも職人はモノを作るだけじゃない、
全体を見て、判断して、行動できる。
当たり前のこと、理想のこと、そう言われるかもしれない。

でもそれに挑んでいる人の方が数倍もカッコイイ。

そんな背景とこれからの彼女には、
お客様からもスタッフからも注目が集まることは間違い無いだろう。

梅小路醗酵所
麹職人
竹内美和