2019.9.15

流行りの酒を超える、クラシックな酒造り。

2013年「純青」の誕生によって、私たちは挑むべき将来ができました。
兵庫県播州にある小さな蔵がその価値を示すには、私たちに共感してもらう必要がありました。私たちが考える価値とは「蔵の哲学」「蔵の美意識」「活動」を理解して頂くことだと考えています。

播州の地理気候をいかした風土米の活用と可能性の追求、蔵の個性が発揮できる独自の醸造、継続できる価値をもつ酒。3つの哲学をもち、心に響く酒を目指します。

山田錦の産地、兵庫県加西で680石をつくる小さな酒蔵は、まだ純米酒というカテゴリーが市民権を得ていない1987年に「全量純米酒宣言」を打ち出し、地元の酒米だけを使用するという当時は考えられない方針に舵を切りました。派手な酒が好まれたバブル期、あまりに地味で前衛的な取り組みは市場の共感を得るには10年も20年も早かったのでしょう。2007年民事再生に追い込まれます。

苦境の時にバトンを受け取った、現社長の稲岡さんはそれでもその取り組みは緩めず、逆に加速、進化させ生もとづくりや木桶をつかい、まるでタイムマシーンで時代を戻るように酒造りに取り組みます。流行に流されるのではなく、自分たちの価値を表現するための酒をつくることが、お客様にとって一番喜ばれる酒だと思います。

すごいスピードでものが消費されていく中、最新であることが最大の価値ではないと時代を迎え、「純青」の取り組みはがいま評価されつつあります。