2021.8.3

お酒は、ダンボールの船に乗って。

今回の裏話は、いつもにもましてマニアック。
酒屋と酒蔵の裏の裏側。

テーマは、お酒の物流にも欠かせない容器。
ダンボールです。

そう、
ダンスホールでも、
ベースボールでも、
ダンベルでもなく、
あの茶色いダンボールです。

あらため考えてみると、
ダンボールは、運搬中の様々なストレスという荒波から、
お酒を守る船のようなもの。
実は重要なんです。

さて、そのダンボールが当店の倉庫に届いたのは、
6月中旬、春の気持ちの良い時期はとおに過ぎ去り、
蒸し暑い夏を感じさせる気候になりつつある時でした。

いつもどおり、商品管理を進めるため、
台車から商品の入ったダンボールを下ろそうとすると、
ずしっと重たいダンボールがあったのです。

少し違和感を感じながらも、
「まあちょっと重いけどこんなもんかな…?」と、思ったのが第一印象。

そもそも、酒蔵さんによって使われているダンボールはどこも違って、
同じ四合瓶12本を入れるものであっても、
寸法が同じものはないし、
紙の厚さも若干違うものなのです。

あれあれ?と、思い始めたのは、
上部中央のテープ部分にペーパーナイフを滑らせて、
ダンボールを開こうとした時。

刃が入りづらく、
「ずいぶんしっかりしているダンボールだな」、
という印象に少し変化しました。

驚いたのは、そのダンボールの蓋を開いたその後です。

目に飛び込んできたのは、
ミラーボールの様なキラキラとした光。

初めての経験に驚きつつも、
そのダンボールの内部を確認してみると、
内面が全て保冷用の銀マットの様な断熱材で覆われていて、
底のにはかなり大きめの保冷剤。

外からは分かりませんでしたが、
ほぼクーラーボックスのような仕上がりです。

こんなにしっかりしたダンボールは、
これまで一度も見たことがありません。

思わず同僚に、
「すげぇダンボールに入ってお酒が来た」と、
伝えたくらいインパクトがありました。

その驚きを例えるなら、
初めてGショックのCM(※下記/Gショックでアイスホッケーしている)を見た時の驚き。

ここまでやるのは本当にスゴイと思ったのと同時に、
お酒の品質管理の徹底ぶりに、
恐れ多いですが、頼もしさすら感じました。

さてさて、ここまで言ったので、
どこの酒蔵さんのお酒が、

そのダンボールで入荷されたか気になってきた方も
いらっしゃるのではないでしょうか?

もちろんお答えします。
それは、富山県富山市に蔵を構える、富美菊酒造さんのお酒。
当店では、羽根屋というシリーズを中心に扱っています。

この暑さからお酒の味を守るため、
やれることをやる。

ダンボール1つからも、
そんなこだわりがビシビシこだわりが感じられた、初夏の昼下がり。

「自分もこだわりをもって頑張らないとダメだな」
と、思ったのはここだけの話です。