2022.1.24

試飲瓶が教えてくれる、季節のしらせ。

日本酒にとって切り離せないのが、
日本の四季と土地の食文化や気候です。

同じ土地であっても、その年によりやはり気候は変わるもの。
同じお酒は二度と出来上がることはないでしょう。

その時飲んだ瞬間こそが、一期一会なのです。

うちの酒屋には、サンプル瓶と称す
商品を仕入れる前に「今年はこんなお酒に仕上がりました。」
という意味も備わった試飲瓶が酒蔵様より送られて来ます。

ある杜氏様にとっては「愛する我が子を送り出すような気持ち。」と言います。
愛なくしては、ここまで丁寧に細やかに手作業で作り出すことはできません。

私も日々デザイナーとしてものづくりに携わったり、
はたまたお酒を販売したり、レストランで提供したりする
立場として感じることは、その一瞬のためにどれだけ魅力を伝えられるか。

知識だけを備えるのではなく、お酒とゆったりとした時間を自分自身が愉しむこと。
そのこと自体が、日本酒業界へ関わるひとつの尊敬の表現でもあります。

愛娘を預かった立場として、旅をさせるお手伝いを
これからも私は微力ながらもお供させていただきたいと感じました。