2021.5.24
- 【想いと、】
「こうじ」の魅力を伝えるために。
2020年10月、京都にできた「梅小路醗酵所」は、
麹室併設の新しい形の酒屋だ。
麹室といえば、酒蔵に必ずある、
お酒造りに必要な“麹”を作る部屋のこと。
この麹を酒屋で作ってしまうのが、この梅小路醗酵所の
最大の見ドコロとなっている。
とはいうものの、麹を作ったことのない酒屋が、
どうやって作って売っていくのか。
麹作りの基本を麹のプロに教えていただきながら、
(参考コラム:職人はモノを作るだけじゃない、「梅小路醗酵所」麹作りの手)
こうじゃない、ああじゃない、と言いながら
今もなお、作り続けているが、
その時も今も、最大の課題となっているのが、
「この梅小路醗酵所で作られる、麹の魅力をどうやってお客様に伝えるのか。」
ということだ。
梅小路醗酵所のオープン当初、
自分たちが作った、麹を販売する時に、
どんなパッケージで販売するか、
最初は、真空パックで真空しただけの工場生産されたような
パッケージで販売をスタート。
しかし、梅小路醗酵所の店内イメージや来店されるお客様の雰囲気を見て、
やっぱりそうじゃない、
と思ったスタッフたちの奮闘がここから始まっていきます。
上のイメージ写真は、その改革の第一弾。
生こうじである(出来立て感)を「○月×日に醸しました」シールを付けて表現し、
パッケージは近くのパッケージ店へ走って悩みに悩んで購入。
価格は、多くの方に知って欲しいから、最初の特別プライスということで、
小ロット、低価格で。
しかし、お客様に届けるまで、
バージョンアップの試行錯誤は続いていく…。
二回目のパッケージ。
200gの小ロットから、300gへの増加。
陳列のしやすさやデザイン性を加味しながら、
米袋用のパッケージを使うことで衛生面と機能面も完備。
帯は麹の雰囲気を残すために、トレーシングペーパーを採用。
店頭に並ぶ様は、
より美しく、商品化されたカタチが伝わるものだった。
ここまで来て、最初の工場パッケージが
懐かしく思える、、
そんな苦労を重ね、今度は、
それを手に取ってくださったお客様に
どう届けるのが正解なのかを考えた。
5月現在、関西エリアは緊急事態宣言中だが、
行く宛のない麹たちは、通販で販売していこう。
そう、心に決めたスタッフたちが次に当たる壁が、
「梱包問題」
麹に興味を持っていただいた、
梅小路醗酵所に興味を持っていただいた、
そんなお客様の期待を裏切らないような
デザイン、シルエット、感謝の気持ち、
を考えて、準備する。
梅小路醗酵所は、オープンした時から、
コロナウィルスの影響を受け続けていたり、
初めての業態が入った形での運営に苦労するスタッフたちもいる中で、
このように少しずつ変えていくことができるのは、
酒屋の運営を数十年積み重ねて、
「お客様」の顔をイメージできるから。
そう私たちは信じて、
日々変わることに挑戦し続けている。