2021.7.27

「花札」がラベルになった梅酒の誕生秘話-八木酒造-

梅酒屋では、今や定番人気の花札ラベルシリーズ。

今日は、この商品が誕生した秘話お伝えします。

花札シリーズでまず最初に商品化したのは
「月ヶ瀬の梅原酒」。

奈良県奈良市高畑町にある八木酒造で、
「月ヶ瀬の“梅酒”」が販売されていたことが最初にきっかけでした。

この月ヶ瀬の梅酒が、「梅原酒」として商品化するようになったのは、
花札のラベルに変える際に、
原酒の方が梅エキスの濃厚で芳醇な味わいを表現できるのではないか
という観点から商品開発して作られたという経緯があります。

そもそも花札をラベルにしようと思ったのは、というと、
その頃のお酒のラベルといえば、どれも筆文字の地味で
可愛いさとはほど遠いラベルばかり。

そこで、逆に筆文字を一切使わない、図柄だけのラベルがあっても良いのでは、
という発想から始まりでした。

今となっては酒蔵の考え方も多様になって、
ラベルも様々なラベルが出ていますが、当時は2003年。

今から約19年前のことです。

また、花札のラベルにする際には
ただこの図柄を使うのではなく、花札の良さを最大限表現するために

“手にとってみたくなるような風合いや質感”
“手でちぎる和紙に手書きイラストと文字”

というアナログなデザインに

“一枚一枚酒蔵さんの手で貼る”

というまさに【アナログの極み】のデザイン。

ただ、商品化で一番苦労したのは、当時の販売でした。

まだ当時は居酒屋さんでも「梅酒」はメニューにあるかないかの時代。
大手メーカーよりも高額の「月ヶ瀬の梅原酒」を取り扱っていただくことは
かなり高いハードル。

当時の三代目代表をはじめ、
少しずつ皆様に花札の梅酒を、八木酒造の作るお酒を
提案し続け、今では海外にも渡り、人気商品となったのです。

歴史のある「花札」という図案だから出せる世界観と、
皆さまが目に触れるところまでの商品になっていくプロセスも含めて、

ロングセラーとなった理由が
ここにあるのかもしれません。