2021.12.22

高知の食とお酒の一体感。

私は、もっぱらの高知好きだとなぜか社内で知られていました。

高知好きのきっかけは、父が学校の先生をしていて
修学旅行で国内を転々としていました。
その中でも一番良かったのは“高知県”なんだとか。

「なにがそんなに良かったん?」と聞くと、
「高知の人は、カツオのタタキを塩で食べんねん。
それが忘れられへん。」と父は言いました。

当時は、魅力に対して不思議なことが沢山でしたが
「一番良かったのは“高知県”」というパワーワードが心に残り続けました。

その言葉から十余年。私は、高知県に降り立っていた。

太平洋に地平線が目一杯伸びていて、広野のまわりには何層にも山が重なっています。
山もあれば、海もある。そして四万十、仁淀などの長い長い川がある。

カツオのタタキは有名ですが、ほかにも山で育った柑橘の果実なども有名。
豊かな土地、高知県である。

そして、なにより高知県の方々は…お酒が強い。

べく杯と呼ばれる、日本の昔から伝わるお座敷遊び。
お面の形をした杯に、穴が空いていたり不安定だったり。
お酒が入ったまま、机に置くことができないので飲み続けるしかないのだとか。

そんな前情報を聞いていた私はゴクリ。
これから高知県で、お酒を飲んで生きて帰れるのだろうか。(大げさ)

地元の方々に高知での食の楽しみ方を、指南いただく。
「カツオのたたきは、塩にネギとニンニク!これが最高に美味しい!」
ニンニクが大好物な私にとっては、嬉しい知らせだが
大人の方がいる中で臭くないかしら…と躊躇すると
「高知の人はニンニク臭くても気にせえへんで!」と一言。

本当かどうかわからないけど、それくらいニンニクは
高知の方々にはスタンダードなのだとか。

お次にドドンと現れたのが「ちゃんばら」と呼ばれる貝。
「貝殻の巻き終わりが出っ張っていて、
その様子が刀を振っているみたいに見えるから。」と豆知識
高知県民たちはするすると上手に取り出すが、関西勢は手こずる。
しかし、弾力のあるコリコリとした食感のため、ちぎれることなく取り出せる。

これはお酒がすすみますなあ…と、そこへ店員さんが育てた「小夏」が登場。
ハイボールにたっぷり入れることで、すっきり喉通りがスーッとする。

次の日、山へ登り。カラダへマイナスイオンを取り込む。
昨日店員さんがくれた「小夏」が山の斜面にたくさん生えている。
激坂の斜面には、遠く離れた下の方まで進んでいた。

昨日飲んだハイボールの喉の通りは、
今日嗅いだマイナスイオンと小夏の温度と同じだった。

高知県に、心も胃袋もがっつり掴まれてしまった。
情報だけで「ペアリング」を考える、のではなく
実際に土地を訪れることで体感する「食の一体感」。

百聞百見は一験にしかず。とは、まさにこのことであった。