2020.3.1

スーッと自然に体に入っていく北国の八戸酒造、蔵元の手

「僕の手なんか何もないですよー!」
照れながらも撮影に応じてくださったのは、
八戸酒造の専務取締役、駒井秀之さん。

ふらりと青森という遠い場所から
現れた人に、スタッフも少し緊張気味。

一緒にお食事を。とCOVOのレストランで
スタッフとテーブルを囲む。

「青森に行ったことはありますか?」

自己紹介も済んだところくらいで、
駒井さん自身のカバンから、
小ぶりな八戸観光のパンフレットを取り出し、
ゆっくりと、でもやはり蔵の人ならではの
情熱を感じる話し方で地元青森のことを話し始める。

 

郷土料理である、南部せんべい煮込んだ
「八戸せんべい汁」
ウニとアワビを煮込んだ「いちご煮」
(名前の由来はウニが朝靄に霞む野いちごのように見えるからだそう)

聞いたことのない料理名と、
その冊子に載っているイメージ写真に
一同、釘付け。。

郷土料理以外にも、
北国にも昭和の風情を醸し出す場所、「八戸横丁」。
朝4時から始まる「館鼻岸壁朝市」は
新鮮な魚介や野菜だけではなく、
珈琲や、パン屋、自動車や長靴屋などなど、、
300もの店舗が並ぶ。まさに“カオスな朝市”は
地元でも人気イベントになっているとか。

 

今の時代なら、ネットで簡単にこの情報を
調べることができるかもしれません。

それでも、地元の駒井さんが話す言葉や
表情、空気やニュアンスから知る情報は、
スーッと自然に体に入っていくような感覚。

どこかで、そんなお酒に出会ったような。。

八戸酒造さんが作るお酒「陸奥八仙」って
そんなお酒なんです。

 

何百年も続く酒蔵で積み重ねてきた重みは、
時にわかりにくさ、固定概念・・・

これが前に出てくると、体に入る前に、
考えてしまう。

でもスーッと自然に体に入っていくのは、
「時代」に合わせた酒造りの考え方があって、
自分たちの作りたいお酒があって、
地元の方へ恩返ししたいという「愛」があるからこそ。

それはきっと、
普通のことではないはず。

 

話を聞きながら、その人たちが作ったお酒を飲んでいると、
味わいも、飲むときの感じ方も、その土地の空気も、全部
一瞬で繋がる。

「このことを私たちがお客様に伝えたい。」

もう、そう思わせた八戸酒造さんには、
スタッフ一同、カンパイです。

 

八戸酒造 蔵人
駒井 秀介