2018.8.29

酒-1グランプリ優勝「澤の花」をつくる伴野酒造、蔵元の手

かねてから、伴野酒造のお酒はその姿からも上品で粋、美しい酒という印象がある。

Beau Michelle(ボー・ミッシェル)と澤の花シリーズが代表的であるが、ミッシェルにはビートルズを聴かせているという話。

 

失礼ながら本当なのか知りたくて伺った。
『音楽、お好きなんですか?』

 

ビートルズに関しては先代のご趣味であり、伴野 貴之さんご自身は、

意外にも河島英五の『時代おくれ』をテーマとしていた。
渋い。

 

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自分の意思と反するものとのせめぎ合はあるけれど、個性をなくしたトレンドに染まりたくはない。
個性のある酒をつくりたい。
ゆらぎ、疑問を持ち、自問自答しながら勝負できる強み、これを人にどうやって見せるか、

お客さんに共感されてなんぼだと語ってくださった。

 

撮影の趣旨をお伝えし、カメラを向けると照れ臭そう〜な笑顔が映る。

 

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趣味はバスケ。
NBAを見るのが大好きで、NBAの話題で盛り上がれる唯一の蔵人とは、電話でもついついバスケの話題になってしまう。
自由気ままに楽しめる趣味は、屈託のない陽気な笑顔を交えて。

 

『つくりの最中は、ガサガサになりますよ。』
麹の印象か、世間では杜氏の手や肌は美しいと言われるが、現実は寒い時期の水仕事で酷使されている。

 

働く職人の手。
『何種類か飲むと、つくり手がなんとなく見えるじゃないですか』
そう仰られるその手からも人生が、哲学が、見えるような気がする。

 

伴野酒造株式会社
伴野 貴之 杜氏