2022.1.17

鯨と亀。2

鯨は、大海の波に乗る。

自然豊かな亀泉酒造を後にして、車で約10分。
近いなぁと言いながら向かったのは、
そう、
リニューアルし、ピカピカ最新の設備になった酔鯨酒造。

山の中にドドンと現れた酒蔵は、美術館か?と思う端正さ。
そして、さすがクジラを名乗るだけことはあるその大きさ。

見学にはしっかりと防護服を着用し、
厳重な警備をくぐると、
そこにはロケットかと思うような大きな機械が。

JAXAもびっくりの巨大精米機。
この規模には、
酒蔵をハシゴしてきたとは言え、さすがに驚きを隠せない。

そして、階段を上がった時、
突然、時代を、いや令和を感じると言えばいいのか。

酒蔵には予想していなかったあるものが現れた。

ウイーン。ウイーン。
酒蔵に、ロボット掃除機。

「こいつはよく働くんですよ〜。」

そう言って、
黒い円盤がまあまあな音を立てなふがら廊下を走り回る中、気にせず進んでいく担当の上田さん。

確かにその言葉の通り、
2階の廊下はほこり一つなくピカピカだ。

実は酒蔵の衛生面は、食品などと違いそこまで厳しくないところが多い。
その中で、食品工場並の清潔さを保っている酔鯨は、
いつかお酒も食べ物と同じ扱いになる、そんな時代を先読みしているのかもしれない。

よく見ると酒蔵内も限りなくフルフラットで、
米や麹を運ぶ際に人の力を使わずに済むようになっているらしい。

またタンクの上部が2階につながっており、
危険な場所は全くなく上から作業ができる。
細かなところにも、人が楽にできる工夫がなされており、つくづく時代を、いや令和を感じる。

終わった後は、酔鯨の試飲や大吟醸ソフト、そして甘酒フラッペなど
ご好意でたくさん試食させていただき、すぐ満腹に。

これから行くカツオのたたきをいっぱい食べられないようにする社長の作戦だろうか。
と思いつつ、甘いものには手が止まらない。。
酒だけでなくカフェも食品も展開し、時代の波に乗る酔鯨酒造は
その一漕ぎで大海の波を作っているのかもしれない。

亀と鯨。
見えるもの、目指すものは違うけれど、
美味しい酒を届けたい気持ちはきっと同じ。