2020.12.25

大いなる那須、そして大いなる音楽 -大那 にごり酒生酒-

今回のお酒は、栃木県のお酒「大那 特別純米 にごり酒 生酒」
です。
大那というのは「大」いなる「那」須のようなスケールの大きい酒にしたい
という思いからねーみされたそうです。

この時期ならではの活性にごり酒。酵母が生きています。
開栓するとシュワシュワシュワシュワ…とお酒が目を覚まします。
普段にごり部分は底に沈んでいますが、
この強い発泡で澄み部分とにごり部分が混ざり合います。

さてお味は…
三ツ○サイダー!まんま!これグイグイいけちゃうやつ…
にごり酒は濾していない分、味が厚くなる事が多いのですが、流石の大那、キレがいい!
活性由来の発泡する口当たりと、フルーティさ、
そして最後のキレのバランス感覚が凄まじいです。

大那のにごりに合わせたい曲は、モーツァルト作曲の「交響曲41番 1楽章」です。
モーツァルトはオーストリア出身の作曲家で、
生涯を題材にした「アマデウス」という映画もあります。

モーツァルトは当時から天才と呼ばれており、
ほぼ全ての曲は譜面に下書きをせずとも頭の中で鳴っている音符を
そのまま書き写していたそうです。
「頭の中で鳴っている音を書いているだけ」と本人は言っているのですが、
そんな事は天才しかできないわけで….
個人的に、弾けるキレが良い作曲家と言えばモーツァルト。
弾ける音やキレだけではなく、和音の香りも纏わせながら進んでいく音楽はまさに大那にピッタリ。

交響曲41番は晩年の作曲。
天才ならではの色々な苦悩や壁、人間関係でトラブルがあったと文献で見ます。
酸いも甘いも、様々な経験を積み重ね、
壮大なスケールの曲を書き上げたモーツァルトと
大いなるスケールで酒を醸すという意味の大那は、ピッタリでは無いでしょうか。

(writer/ヴァイオリニスト 高橋宗久)

モーツァルト作曲/【交響曲41番 1楽章】