2019.8.20

濃くデリケート。らもの世界と日本のワイン。

真っ黒で大粒なその果実。
生まれは日本。
液体の色は深く厚みがあり、果実は病気に弱いデリケートな一面も。

彫りが深いというよりは、一度見たら忘れない、絵に描きやすい感じの顔立ち。
好き嫌いがはっきりしている性格。

元気一杯はつらつ!とした太陽のこどものようなタイプもいいけれど、季節の変わり目はすぐ風邪をひいてしまうようなタイプは、世話がやけるけど何だか愛着がわく。
何かと個性的なブラッククイーン、わたしはとても好きです。

そんなブラッククイーンと相性がいいのは“今夜、すべてのバーで”。
主人公の小島容氏にも、著者の中島らも氏にも、お酒なくしては語れない人生ほどほどにしときよと想う。
らも氏はすでに故人だが、学生時代らも浸りだった私の心に中では、今も生き生きと酒を飲んでいる。

濃く深いのにどこか儚い感じがする、同じ共通点を持つブラッククイーンと“今夜、すべてのバーで”。
個性的なもの同志、秋の夜長がますます楽しい。